〈冥界の王よ、冥界の川の渡し守よ…〉
先日、冥王星が惑星から「矮惑星」なんていう冥王星(プルート)が聞いたら怒りそうな組み分けに格下げされてしましまいた。冥王星は、「宇宙戦艦ヤマ ト」ではガミラス帝国軍の前線基地が置かれ、地球に対し破滅的な攻撃を加えてくるという設定でありました。「反射衛星砲」などというガミラス秘密兵器の中 の代表的なモノが現れるなど、ヤマトファンの間では第一シリーズ中の最初の見せ場でもあったのです。誇り高いデスラー総統が、“矮”惑星ごときに帝国軍の 基地をおくことを許さないのではありますまいか?ご存知のない方、すいません。私は「宇宙戦艦ヤマト」の大ファンなのです。
ところで冥王星は、数ある惑星の和名の中でもかなりイイ訳名なのではないでしょうか。冥王星の英語名は「プルート(プルートン)」。冥界の王様ですが、冥 界王星ではなく“冥王星”としているところが語感としていいです。冥王星には衛星の“カロン”がありますが、こちらは冥界に流れる川(日本風に言うと三途 の川)の渡し守です。“カロン”“プルート”という冷たい響きが、太陽系最果ての暗く凍てついた空間を、260年かけてゆっくり周る星に非常に合っている ではありませんか。
星座や小惑星には、ギリシア神話に登場する神様や人物の名前がつけられていますよね。ギリシア・ラテン語系の名前はカッコいいものが多いと思うのですが、 星座の中の恒星にはアラビア起源の名前がよく見られます。「アルファルド」「アルゲディ」「アルビレオ」など、「アル~」はだいたいそうです。理科の天体 に関する授業では、時間の関係上どうしても星座や星の名前を覚えるだけになってしまいますが、星の名前の意味や由来を見てみるとおもしろいですよ。特に星 座の学名(ギリシア・ラテン語名)を声に出して呼んでみてください。「スコルピウス」「シグナス」なんてカッコよくありません?