「星界のルネサンス」
コメンテーター:田中成典さん(生物物理.神戸大学 大学院自然科学研究科 ),青木茂樹さん(素粒子物理.神戸大学 発達科学部)
場所:のびやかスペース「あーち」
2006年6月22日
記録映像(117BBTV提供):http://www.hyogo117tv.jp/movie/20060622_01.html
まず、柳幸代さんのピアノ演奏を交え、ガリレオ・ガリレイの一生が簡単に紹介されました。
コメンテーターのおひとり、素粒子物理学者の青木茂樹さんが、「ともすると、天動説は非科学的、地動説は科学的と見られがちだが、天動説もその時 代なりに科学的だった」として、文系学部学生の授業で使われた資料にもとづき、両説の解説をして下さいました。次にもうおひとりのコメンテーター、生物物 理学者の田中成典さんが、「ガリレオの一生の紹介をききながら、自然に対して素直な態度とはなにかということを、科学者として考えた」とコメントされまし た。
これを受けて語らいは、「天動説・地動説=主観性・客観性といえないか」「天動説は文学的」「音楽と科学の共通点」「データ捏造をしてしまう科学 者の背景、意図的でない捏造の可能性、発覚するまえに確証が得られたラッキーなケースの存在」「シンプルな理論と複雑な理論があるときの科学者の考え方」 「多様性を認めたい」・・・など、芸術との関連、科学者のありかた・考え方、観測精度などへと発展しました。
開催後記
今回は、いつもとスタイルを異にしての開催でした。
話の展開に合った柳さんのピアノ曲の選曲と演奏がすばらしく楽しめました。「科学アレルギー」だったというミュージシャンの方が参加されていて、音楽・文学と科学とのつながりへと話が発展したのも面白味のひとつだったと思います。
「その時代なりの科学性」や「自然に対する素直さ」など、青木さんと田中さんのコメントがまた、大変有意義なひとときを作り出しました。
「あーち」もなかなか良い俄かカフェに変身し、今回はさまざまな「意外性」を楽しめました。
演奏曲
ラヴェル ソナチネ2楽章/モーツァルト キラキラ星変奏曲より/バッハ BWV846(平均律1巻1番プレリュード)/湯山昭 いいことがありそ う/ドビュッシー アラベスク第1番/ショパン Valse 作品番号69-2/バッハ イタリア協奏曲第2楽章より/バッハ BWV853(平均律1巻 8番プレリュード)/モーツァルト キラキラ星変奏曲