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「生物はどのようにして時間を計るか」

ゲスト:  竹田 真木生 さん(神戸大学大学院自然科学研究科)
日 時: 2009年1月12日(月・祝)14時から16時
場 所: びーあん
開催案内文の記録
ポスター(609kb, PDF)

生命の歴史の太初から、地球は自らの軸の周りを回転しながら、 太陽の周りを回ってきた。生命は海でうまれ、その間にシアノバクテリアが 大気中に酸素を生み出し、オゾン層を形成した。海に生まれた生物は陸上に 進出し、温暖化があったり全球凍結の時代があったりしながら、そこで複雑化し、 多様な形と存在様式を確立した。太初から変わらない拘束は、物語がすべて 夜昼の24時間と、四季を含む1年という周期性の上に展開するということである。 この拘束があるから、いろいろな生物が、似たような仕組みで時計を計っている ことを知っても驚くことではない。

生物の時計は、自身のつくりだす概ね24時間の周期性(概日振動)を外界の 周期性(24時間)に同調することで機能を果たす。温度が上がっても下がっても 同じ時間を刻むものでなければならない。夜行性動物は緯度が上がっても 下がっても夜行性を、昼行性動物は昼行性を維持しなくてはならない。季節的に、 大陸間のような長い距離をわたる鳥たちは星座の運行をコンパスにする。季節の 進行も知る。様々な周期性がこの概日振動によって制御されているが、さまざまな 生物種でこの生物の時計の不思議な機能が解明されてくると、その中に貫かれて いる機能は普遍的であり、かつフレキシブルでもあるという姿が浮かび上がってくる。

どのようにか? それはお楽しみ。(ゲストより)