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からだをつくる細胞シートのはなし

ゲスト:古瀬 幹夫 さん (神戸大学大学院医学研究科)
日 時:2012年3月10日(土)14:00から16:00
会 場:UCCカフェコンフォート 神戸市庁舎店
開催案内文の記録


わたしたちの体はたくさんの細胞からできています。その数はおよそ60 兆個。
このたくさんある細胞から体はどのように形づくられているのでしょうか?
 今回のサイエンスカフェのテーマは体づくりのしくみです。わたしたちの体
は細胞が隅から隅までぎっしりと詰まっているわけではなく、細胞がきっちり
ならんだシートでできています。皮膚はもちろん、体の中の多くの器官はこの
シートでできた袋や管なのです。
 ゲストは神戸大学医学研究科の古瀬幹夫さん。古瀬さんは細胞と細胞の接着
について研究をされています。古瀬さんには、このシートがどうやってできて
いるのか、またシートが破れるとどうなってしまうのかなどについてお話をし
ていただきます。

(当日の様子)
ゲストは古瀬幹夫さん(神戸大学大学院医学研究科)でした。
古瀬さんは細胞と細胞の接着に関わるタンパク質についての研究をされています。

まず簡単な自己紹介の後、私たちのからだの構造を簡単に図式するとどう表されるか、
というところからお話が始まりました。
とても単純にいうと、私たちのからだは「ちくわ」のような構造だとか。

 

私たちのからだはシートでできている、というのが今回のテーマですが、
ひとつひとつの細胞がどのようにくっついているのかということを説明していただきました。
レンガの建物や浴槽など身近なものを例えに、イメージの掴みやすいお話でした。
また、からだがつくられる時、どうやってシートで包まれた構造になっていくのかを
ウニの発生の図を使って説明していただきました。ウニとハエとで比べると、
ヒトはウニに近いのですよというお話に、参加者の方からは驚きの声も出ました。
隣り合う細胞の境界を拡大した顕微鏡写真では、実際に細胞どうしがどのように
くっついているのかをみせていただきました。

最後は古瀬さんの研究について、ジッパーを例にしてお話していただきました。
古瀬さんたちが新しく発見されたというタンパク質の写真がとても奇麗でした。
(ポスターの一部にもなっています)

ブレイクタイムの後、参加者からは細胞どうしがくっつく力はどういう力なのか、
胸水が溜まるというのはどういうことか、細胞の種類の違いについてなど様々な質問がでました。
基礎研究を専門としているので、医学のことはあまり詳しくは、、、と前置きされつつも、
丁寧にご質問にお答えいただき、和やかに終了しました。

今回の参加者数は28名、うち5名が高校生でした。