「日本でいちばん美しい赤とんぼ=ミヤマアカネと子どもたち」
バイオリン演奏:中浜恵子さん (伊丹シティフィルハーモニー管弦楽団)
場所:Paris Cafe(兵庫県西宮市)
2007年9月2日
- 開催案内文の記録
-
今回は、小学生を中心とした市民によるミヤマアカネ(減少している赤とんぼの一種)の調査や、「昆虫少年」の育成などユニークな活動に取り組まれる八木 剛さんをゲストにお迎えし、人と自然のふれあいについてついてみなさんで語り合いたいと思います。
また、中浜恵子さんによるバイオリンの演奏もお楽しみ頂きます。みなさまどうぞお気軽にご参加ください。
主催:大学コンソーシアムひょうご神戸, 財団法人ひょうご科学技術協会
協力:サイエンスカフェ神戸, あかねちゃんクラブ
後援: 兵庫県 - 開催記録
-
中浜さんが奏でる美しいバイオリンの調べで幕をあけた今回のサイエンスカフェ。サイエンスカフェひょうごの第1回目は、西宮市夙川近くのお洒落なイタリアンレストランParis Cafeでの開催となりました。
話題提供者の八木さんは、ミヤマアカネ(赤とんぼ)の調査を通じ、科学する喜びを地域の小学生や住民と分かちあっておられる、まさに地域密着型の研究者。「みなさん、どこから来られました?」との問いかけから始まりました。
参加者は西宮、東灘、芦屋、灘...、「残念、灘にはミヤマアカネはいないんです」と八木さん。ミヤマアカネは甲山を越えて仁川でよくみられるそうで、はねの帯が非常に特徴的なトンボ(案内ポスターの写真をご参照ください)。オスは成長すると真っ赤になることから「日本で一番美しい赤とんぼ」として知られています。
そもそもこの研究は、とある2つの小学校での子ども達の疑問「トンボ現れる場所に季節性があるのはなぜ?」というのが、きっかけだそうです。質問をうけた八木さんが、子ども達に「君達の任務は私と一緒に研究すること!」と呼びかけ、総合学習の時間を使ってマーキングによる調査研究が始まりました(羽に番号を書いて見つけた市民の方々に報告してもらうというものです)。同定しやすさ、扱いやすさ、行動時間帯に加えて、そもそも魅力的かどうか? ミヤマアカネは学習素材にはぴったりなのだそうです。
休憩あけ。中浜さんの演奏に続いて、語らいへ。
蛍と並んで、赤とんぼは国民的昆虫と語る八木さん。「昔はよく見かけたのに、今は減ってきているような気がするけど本当?」との問いに対し、「虫の存在に気づくハートがなくなっているのも理由のひとつ」との言葉。「常日頃、どれだけ周りを眺めながら歩いているだろう...」と自らを振り返っていたところ、参加者の中にも大きくうなずいておられる方が。
また、小学生からは、「トンボは何を食べるの?どうやって眠るの?」といった質問が。大人からは「日本人は愛着を持っているのに、欧米では虫を忌み嫌うようだがどうしてだろうか?」という問いから参加者同士への語らいに発展しました。そして、最後は、あかねちゃんクラブで活動している市民の方から「最初は虫なんて触るのもイヤだったけど、今では楽しい。それに自分達の活動がきちんと研究に役立っているのも嬉しい!」と、感想をお聞きすることができました。
中浜さんの奏でるバイオリンが会場の雰囲気を和ませ、ミヤマアカネの生態と、科学に対する様々な立場からの思いを共有できた2時間でした。 (文責:橋口)
●中浜さんに演奏していただいた曲目 ◇オープニング:「素晴しき日々へ」 ◇お話の後:「赤とんぼ」「ふるさと」「アシタカとサン」(「もののけ姫」より) ◇エンディング:「千の風になって」 ◇アンコール:「いのちの名前」(「千と千尋の神隠し」より)
- リンク