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「六甲山の成り立ちと地震」

ゲスト:新井敏夫さん(兵庫県立湊川高等学校講師・理学博士)
場所:喫茶みんと(姫路市本町商店街68番地アトリエ剣2階)
2009年1月31日
開催案内文の記録
兵庫県南部地震から13年が経ちましたが、 その後も日本の各地で大きな地震が何年かおきに起きています。 しかし、世界には全く地震の起こらない地域もあるのです。 地震は何故起こるのか、起こる地域に偏りがあるのは何故か、そのメカニズムを考えてみましょう。

また、御影石で有名な六甲山の成り立ちについても考えてみます。 一見地震とは何の関わりもなさそうな二つの事柄に、実はとても大事な関係があることが分かります。

御影石は深成岩と呼ばれる地下の深いところで固まってできた石ですが、 何故そんな地下深くでできた石が、今は900mを超える山から採れるのでしょうか? 私たちの文字通り足下を見つめ直すきっかけになればと思います。
当日の様子

1月31日(土)姫路市本町の喫茶みんとにて、第3回サイエンスカフェはりま「六甲山地の成り立ちと地震」が開催されました。高校講師で地質研究者の新井敏夫さんをゲストに迎え、断層と地震、プレート、岩石についても様々なお話を伺いました。

断層の動く時間と、我々の生活(人生)の時間の差や、建築コストの都合から断層に沿って高速道路が走っていること、線路が断層をまたぐことを避けて、上り/下りが異なる岩盤上にある(新神戸駅)こと、日本ほど多くのプレートがかさなっているところはどこにもないこと、など興味深い話を伺いました。


また、岩石は結晶粒の大きさと成立過程の関係や、学術上の名称と商売上の名称が混乱していること、姫路の大手前通りの建物に見られる岩石などについて話していただきました。岩石(含む宝石)見本や、偏光顕微鏡による組織観察など、実際に手に取り、目で見られるアイテムが用意されていて、参加者の満足度も非常に高かったと思われます。

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参加者からは地震予測に関する質問や、鉱物の硬さに関する質問、ダイヤモンドの切断や、ダイヤモンドペーストを用いた研磨の話題、868年の姫路あたりで起こった地震の話題などが出され、新井さんの話された話題を中心にして(ネタにして)、参加者同士の語らいも多く行われました。